「育休中にブログを始めたけど、確定申告って必要なの?」
「育休給付金も収入として申告しなきゃいけないの?」
「育休明けに復帰したら、確定申告の手続きはどう変わるの?」
こんにちは、モリです。
昨年こどもが生まれ、現在育休中の私自身も、副業を始めたときにこれらの疑問で頭を抱えました。
育休中の確定申告は、通常の確定申告と比べていくつか育休特有の注意点があります。
知らずに申告を誤ると、あとから税金の追徴や給付金への影響が出る可能性があります。
税理士事務所で5年間、個人の確定申告を担当してきたプロの視点と、育休中の副業ママとしての当事者目線で、育休中・育休明けのケース別に丁寧に解説します。
- 育休給付金は確定申告の対象になるのか
- 育休中に副業収入がある場合の確定申告の注意点
- 育休中に確定申告が必要になるケース・不要なケース
- 育休明けに復帰した年の確定申告の注意点
- 育休中の副業ママが今すぐできる準備
1. まず確認!育休給付金は確定申告の対象?
育休中のママが最初に疑問に思うのが「育児休業給付金も収入として申告しなきゃいけないの?」という点です。
結論から言うと、育児休業給付金は非課税です。確定申告の対象になりません。
| 収入の種類 | 課税・非課税 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 育児休業給付金 | 非課税 | 不要 |
| 出産手当金 | 非課税 | 不要 |
| 出産育児一時金 | 非課税 | 不要 |
| パートの給与(育休前) | 課税 | 条件による |
| 副業収入(ブログ・ライターなど) | 課税 | 条件による |
育休給付金・出産手当金・出産育児一時金はすべて非課税のため、これらの金額を確定申告書に記載する必要はありません。
モリ『育休給付金も申告しなきゃいけないの?』という質問は税理士事務所でも毎年受けていました。
非課税なので申告不要です。安心してください。
ただし副業収入は別の話なので、そちらはしっかり確認が必要です。
2. 育休中の副業収入、確定申告は必要?
育休給付金は申告不要でも、副業収入は別途確認が必要です。
育休中の確定申告が必要かどうかは、その年の「給与収入の有無」と「副業所得の金額」によって変わります。
パターン① 育休を1年間フルで取得した場合
その年の給与収入がゼロ(または育休前の数ヶ月分だけ)という状況です。
給与収入がまったくない場合
給与所得者向けの「副業20万円以下なら申告不要」というルールは、年末調整をしてくれる会社(給与所得)があって初めて使える特例です。
そのため、1年間フルで育休を取りその年の給与収入がゼロの場合、このルールは適用されません。
ただし、誰でも一律で差し引ける「基礎控除(48万円)」があるため、副業の所得(収入−経費)が年間48万円以下であれば所得税はゼロになり、確定申告は不要です。
| 副業所得(収入−経費) | 確定申告 |
|---|---|
| 48万円以下 | 不要(所得税ゼロ) |
| 48万円超 | 必要 |
育休前の給与収入が少しある場合
給与所得控除(最低55万円)と基礎控除(48万円)の合計103万円以内に給与収入+副業所得が収まれば、所得税はかかりません。



育休を1年間フルで取った年は、給与収入がほぼゼロになります。
このとき『副業20万円以下なら申告不要』というルールは使えないので注意してください。
ただし基礎控除48万円があるので、副業所得がそれ以下なら所得税はかかりません。
パターン② 育休前・育休中・育休明けが同じ年に混在する場合
たとえば「4月まで働いて5月から育休、12月に復帰」という年のケースです。
この場合、給与収入+副業所得の合計で確定申告の要否を判断します。
注意点が2つあります。
注意点① 年末調整が不完全になる場合がある
育休中は会社の年末調整を受けられないケースがあります。
その場合、自分で確定申告をして税金を精算する必要があります。
注意点② 育休前の給与と副業収入を必ず合算する
「育休前の給与はパート先が計算してくれるから関係ない」と思いがちですが、副業収入と合算して申告する必要があります。
パターン③ 育休中に副業所得が20万円以下の場合
育休前の給与収入がある年に、副業所得が20万円以下の場合は第23回で解説したルールがそのまま適用されます。
ただし育休中は医療費が増えるケースも多く、医療費控除を受けるために確定申告をする場合は副業収入も合わせて申告が必要です。
→【第23回:副業収入が20万円以下でも確定申告が必要なケース】※内部リンク
3. 育休中の確定申告で見落としがちな3つのポイント
ポイント① 配偶者控除・配偶者特別控除の確認
育休中は収入が大幅に減るため、配偶者(夫)の税金が配偶者控除・配偶者特別控除によって減る可能性があります。
| 妻の合計所得 | 夫が受けられる控除 |
|---|---|
| 48万円以下 | 配偶者控除(最大38万円) |
| 48万円超〜133万円以下 | 配偶者特別控除(段階的に減少) |
| 133万円超 | 対象外 |
※育休中で給与収入がない場合、副業所得(収入−経費)がそのまま合計所得になります。
育休中に副業所得が少なければ、夫の税金が減る可能性があります。
夫の会社の年末調整で「配偶者控除等申告書」を提出することで適用されます。
副業収入が増えて所得が48万円を超えると配偶者控除が受けられなくなるため、夫婦合わせたトータルの税負担を考えて副業の収入管理をしましょう。



これは見落としがちなポイントです。
育休中に副業収入が増えて所得が48万円を超えると、夫の配偶者控除がなくなります。
副業収入が増えてきたら、夫婦で合わせて確認しておきましょう。
ポイント② 住民税の通知が職場に届く可能性がある
副業収入がある場合、翌年6月頃に住民税の通知が届きます。
通常、会社員・パート勤務の方の住民税は給与から天引き(特別徴収)されます。
副業収入がある場合、副業分の住民税も給与から天引きされる形で会社に通知が届くことがあります。
これが「副業がバレる」原因になるケースです。
育休中は給与の支払いがないため、住民税の通知の扱いが通常と異なる場合があります。
心配な方は確定申告書の「住民税の徴収方法」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択することで、副業分の住民税を自分で納付できます。
育休中は給与の支払いがないため、副業分の住民税を普通徴収(自分で納付)に切り替えても、前年分の住民税の通知のタイミングと重なって会社側が確認に迷うケースがあります。
心配な方は以下の2つを合わせて行っておくと安心です。
- 確定申告書の「住民税の徴収方法」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択する
- お住まいの市区町村の住民税課に電話して「副業分の住民税の通知は自宅に送ってほしい」と一言伝えておく
役所への電話は1〜2分で済みます。
この一手間が「副業がバレる」という不安を防ぐ最も確実な方法です。
ポイント③ 育休中の国民健康保険・国民年金への切り替えに注意
育休中は会社の社会保険に加入したままのケースがほとんどですが、退職して育休を取る場合は国民健康保険・国民年金に切り替わります。
この場合、支払った国民健康保険料・国民年金保険料は社会保険料控除として確定申告で申告できます。
払った保険料の控除を忘れると、払わなくてよかった税金を払うことになるため、必ず確認しておきましょう。
4. 育休明けに復帰した年の確定申告の注意点
育休明けに職場復帰した年は、以下の点に注意が必要です。
注意点① 年末調整と確定申告の関係
育休明けに復帰して年末調整を受けた場合でも、副業収入がある場合は確定申告が必要です。
年末調整はあくまでパートの給与部分だけを精算するものです。
副業収入は年末調整の対象外のため、自分で確定申告して申告する必要があります。
注意点② 育休前・育休中・復帰後の収入をすべて合算する
復帰した年は「育休前の給与+育休中の副業収入+復帰後の給与」をすべて合算して確定申告します。
育休中の副業収入だけを申告すればいいと思っている方が多いですが、その年のすべての収入を合算するのが原則です。
注意点③ 保育園入園と住民税の関係
保育園の保育料は前年の住民税額をもとに決まる自治体が多いです。
育休中に副業収入が増えて住民税が上がると、翌年の保育料が上がる可能性があります。
「副業を頑張ったら保育料が上がってしまった」という想定外の出費を防ぐために、副業収入と保育料の関係を事前に把握しておくことをおすすめします。



保育料と副業収入の関係は、育休明けのママが一番驚くポイントです。
私自身も娘の保育園入園を前にして、この点をしっかり意識しながら副業収入の計画を立てています。
5. 育休中の副業ママが今すぐできる準備
準備① 副業の収支を会計ソフトでリアルタイム管理する
育休中は時間があるように見えて、育児でまとまった時間が取りにくいです。
会計ソフトで日々の収支を入力しておくと、確定申告シーズンに慌てずに済みます。
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準備② 副業専用の口座・カードを分けておく
育休給付金が振り込まれる口座と副業収入が振り込まれる口座を分けておくと、収支の管理がシンプルになります。
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準備③ 夫の年末調整で配偶者控除の申告を忘れずに
育休中に副業所得が48万円以下の場合、夫の会社の年末調整で配偶者控除が受けられます。
夫の会社から配偶者控除等申告書が配布されたら、必ず記入して提出してもらいましょう。
準備④ 来年の保育料への影響を試算しておく
育休明けに保育園入園を予定している方は、今年の副業収入が来年の保育料にどう影響するか、お住まいの自治体のホームページで確認しておきましょう。
まとめ|育休中の確定申告、ポイントは4つ
今回の内容を整理します。
- 育児休業給付金・出産手当金・出産育児一時金は非課税のため確定申告不要
- 育休中に給与収入がない年は「副業20万円以下なら申告不要」ルールが使えず、基礎控除48万円が判断基準になる
- 副業所得が48万円を超えると夫の配偶者控除に影響するため夫婦で合わせて確認が必要
- 育休明け復帰後の年は育休前・育休中・復帰後の収入をすべて合算して申告する
育休中は「自分の税金だけ」ではなく、夫の税金・保育料・社会保険など家計全体への影響を考えながら副業収入を管理することが大切です。



育休中の確定申告は、私自身も娘が生まれてから初めてリアルに向き合ったテーマです。
プロとして知っていたつもりでも、当事者になってみると『こんな細かいところまで影響するんだ』と改めて実感しています。
このブログを通じて、同じ立場のママの不安を少しでも解消できたら嬉しいです。
次回は引き続き副業ママの確定申告シリーズとして、青色申告と白色申告の違いについて解説します!
→【次の記事:ブログ収入は「雑所得」と「事業所得」どちらで申告?】


💡 育休中の今こそ、収支管理の仕組みを整えておきましょう
育休明けに慌てないために、今のうちから会計ソフトで収支を管理する習慣をつけておくのが一番の近道です。








