「パート先から源泉徴収票が届いたけど、何が書いてあるのかさっぱりわからない」
「確定申告に使うって聞いたけど、どこを見ればいいの?」
こんにちは、モリです。
毎年1〜2月になると、パート先から送られてくる源泉徴収票。
「なんとなく大事そうだから保管しているけど、中身はよくわからない」
という方がとても多いです。
税理士事務所で5年間、複数企業の年末調整や個人の確定申告を担当してきた私が、源泉徴収票の見方を副業ママが確定申告で使う項目に絞ってわかりやすく解説します。
この記事を読み終えたとき、源泉徴収票を見て「あ、ここの数字を使えばいいんだ」とすぐに動けるようになります。
- 源泉徴収票とは何か・なぜ必要か
- 源泉徴収票の各項目の意味
- 確定申告で特に重要な項目はどこか
- 源泉徴収票が届かないときの対処法
- 複数の源泉徴収票がある場合の扱い方
1. そもそも源泉徴収票とは何か
源泉徴収票とは、1年間に会社から支払われた給与の金額と、そこから天引きされた税金の金額を証明する書類です。
パート先は毎年12月の年末調整後に源泉徴収票を作成し、翌年1月〜2月頃に従業員へ交付します。
「なぜ確定申告に必要なの?」という疑問に一言で答えると、
「自分がいくら稼いでいくら税金を払ったかを、国に正確に報告するため」です。
確定申告書に源泉徴収票の数字を転記することで、副業収入と合わせた年間の税金を正しく計算できます。
モリ源泉徴収票は『1年間の給与の成績表』のようなものです。
この書類1枚に、確定申告に必要な情報がほぼすべて詰まっています。
捨てずに必ず保管してください。
2. 源泉徴収票の全体像
源泉徴収票には多くの項目が記載されていますが、副業ママが確定申告で使う項目は主に以下の6つです。


それぞれの項目を順番に解説していきます。
3. 各項目の意味と確定申告での使い方
① 支払金額
→ 1年間にパート先から支払われた給与の総額(税引き前)
交通費を除いた給与の合計金額です。ボーナスがある場合はその金額も含まれています。
確定申告での使い方:
確定申告書の「給与収入」の欄にそのまま転記します。副業ママにとって最も重要な項目の一つです。
注意点: 交通費(通勤手当)は原則として非課税のため、支払金額には含まれていません。
支払金額の基準は「1月1日〜12月31日の間に実際に支払われた(口座に振り込まれた)金額」です。
たとえばこんなケースです。
- 12月に働いた給与が翌年1月に振り込まれる場合 → その金額は今年の源泉徴収票ではなく、来年の源泉徴収票に含まれます。
- 11月に働いた給与が12月に振り込まれる場合 → その金額は今年の源泉徴収票に含まれます。
「今月の給与がいつ振り込まれるか」を確認しておくと、源泉徴収票の金額に納得しやすくなります。
② 給与所得控除後の金額
→ 支払金額から「給与所得控除」を差し引いた後の金額
給与所得控除とは、給与収入から一定額を差し引いてくれる控除のことです。
サラリーマン・パート勤めの方は、この控除によって税金が計算される所得が減ります。
確定申告での使い方:
確定申告書の「給与所得」の欄に転記します。
freeeやマネーフォワードを使っている場合は、①の支払金額を入力すると②が自動計算されます。
| 給与収入(①) | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 162.5万円以下 | 55万円 |
| 162.5万円超〜180万円以下 | 収入×40%−10万円 |
| 180万円超〜360万円以下 | 収入×30%+8万円 |
③ 所得控除の額の合計額
→ 年末調整で適用された各種控除の合計金額
社会保険料控除・生命保険料控除・扶養控除・基礎控除などの合計額です。
確定申告での使い方:
この金額は確定申告書を作成する際の参考になりますが、副業ママは確定申告書で改めて各控除を入力するため、直接転記することはほぼありません。
④ 源泉徴収税額
→ 1年間にパート先が給与から天引きして納付した所得税の金額
副業ママにとって最も重要な項目です。
この金額が「すでに払った所得税」を示しています。
確定申告で計算した「本来払うべき税金」と比較して、多く払っていれば還付(戻ってくる)、少なければ追加納付になります。
確定申告での使い方:
確定申告書の「源泉徴収税額」の欄にそのまま転記します。
この数字が正確でないと、還付額や追加納付額の計算が狂うため、必ず正確に転記してください。



税理士事務所で一番転記ミスが多かったのが、この源泉徴収税額です。
0(ゼロ)が一つ多い・少ないだけで還付額が大きくズレます。
必ず源泉徴収票と見比べながら慎重に入力してください。
⑤ 社会保険料等の金額
→ 1年間に給与から天引きされた社会保険料(健康保険・厚生年金など)の合計額
確定申告での使い方:
確定申告書の「社会保険料控除」の欄に転記します。
この金額分だけ課税所得が減るため、正確に入力することで税負担が軽くなります。
⑥ 生命保険料の控除額
→ 年末調整で適用された生命保険料控除の金額
パート先の年末調整で生命保険料控除を申告していた場合に記載されます。
確定申告での使い方:
パート先の年末調整ですでに生命保険料控除を受け終わっている場合は、確定申告で改めて入力する必要はありません。
会計ソフトの指示に従って源泉徴収票の通りに入力すれば、⑥の金額が自動で反映されます。
- 年末調整の締切に控除証明書が間に合わず、会社で控除を受けられなかった保険がある
- 年末調整の後に新たに保険に加入した
この場合のみ、手元の「控除証明書」を使って確定申告で追加入力します。



年末調整済みの保険を確定申告でもう一度入力してしまい、控除を二重に受けてしまうケースが実務で非常に多いです。
税務署からお尋ねが来る原因になるので、『年末調整で済んでいるものは確定申告で入力しない』を徹底してください。
4. 確定申告で特に重要な3項目まとめ
源泉徴収票の項目が多くて混乱した方のために、確定申告で特に重要な3項目をまとめます。
| 優先度 | 項目 | 確定申告書への転記先 |
|---|---|---|
| 🔴 最重要 | ④ 源泉徴収税額 | 「源泉徴収税額」欄 |
| 🔴 最重要 | ① 支払金額 | 「給与収入」欄 |
| 🟡 重要 | ⑤ 社会保険料等の金額 | 「社会保険料控除」欄 |
この3項目を正確に転記できれば、給与所得に関する確定申告の入力はほぼ完成します。
5. 源泉徴収票が届かないときの対処法
源泉徴収票は会社が従業員に交付する義務があります。
1月末〜2月上旬を過ぎても届かない場合は以下の手順で対処しましょう。
① まず勤務先に連絡する
総務・経理担当者に「源泉徴収票がまだ届いていない」と連絡してください。
発行漏れや郵送ミスの可能性があります。
② 退職した会社の場合も請求できる
退職した会社からも源泉徴収票を発行してもらう権利があります。
退職後でも遠慮なく請求してください。
③ それでも発行してもらえない場合
会社が源泉徴収票を交付しない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出することができます。
税務署から会社へ指導が入ります。



源泉徴収票は会社が必ず発行しなければならない書類です。
『なんとなく言いにくい』と遠慮せずに、請求する権利があることを覚えておいてください。
6. 複数の源泉徴収票がある場合の扱い方
パートを掛け持ちしている方や、年途中に転職・退職した方は複数の源泉徴収票が手元にある場合があります。
すべての源泉徴収票を合算して申告するのが原則です。
| ケース | 対処法 |
|---|---|
| パートを2か所で掛け持ち | 2枚の源泉徴収票をそれぞれ確定申告書に入力する |
| 年途中で転職した | 前の会社と現在の会社、両方の源泉徴収票を用意する |
| 年途中で退職してパートを始めた | 両方の源泉徴収票を合算して申告する |
注意点: 複数の源泉徴収票がある場合、一方の会社だけで年末調整をしていると税金の計算が不完全になっています。
確定申告ですべてを合算して正しく計算し直す必要があります。
第23回で解説した「2か所以上からの給与がある場合は確定申告が必要」という内容と合わせて確認してください。
→【第23回:副業収入が20万円以下でも確定申告が必要なケース】※内部リンク
7. 会計ソフトを使った源泉徴収票の入力方法
会計ソフトを使っている場合、源泉徴収票の入力は非常に簡単です。
「数字の転記ミスが心配」という方には、スマホのカメラで源泉徴収票をカシャッと撮影するだけで①・④・⑤などの数字を自動で正しい枠に読み込んでくれるOCR機能がおすすめです。
プロの私が見ても驚くほど読み取り精度が高く、転記ミスをほぼゼロにできます。
手入力で「0が一個多かった!」というミスを防ぐためにも、ぜひ活用してください。
freeeのスマホ撮影手順:
アプリを開いて「確定申告」→「給与所得」→「源泉徴収票を撮影する」をタップ。
カメラで源泉徴収票全体を写すだけで自動入力されます。
マネーフォワードのスマホ撮影手順:
アプリを開いて「確定申告」→「収入・所得」→「給与所得」→「カメラで読み取る」をタップ。
同様に撮影するだけで主要項目が自動入力されます。
freeeでの入力方法
「確定申告」→「給与所得」→「源泉徴収票を入力する」をクリック。
①支払金額・④源泉徴収税額・⑤社会保険料等の金額を入力するだけで、確定申告書に自動反映されます。
マネーフォワード クラウドでの入力方法
「確定申告」→「収入・所得」→「給与所得」→「源泉徴収票を入力」をクリック。
同様に主要項目を入力するだけで自動計算されます。
どちらのソフトも、源泉徴収票の画像をアップロードするとOCR(自動読み取り)機能で入力を省力化できる場合があります。
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まとめ|源泉徴収票は「3項目」だけ押さえれば大丈夫
今回の内容を3行で整理します。
- 源泉徴収票は1年間の給与と税金の証明書で、確定申告に必ず必要
- 特に重要な項目は「①支払金額」「④源泉徴収税額」「⑤社会保険料等の金額」の3つ
- パートの掛け持ち・転職・退職がある場合はすべての源泉徴収票を合算して申告する
「源泉徴収票って難しそう」と思っていた方も、この3項目だけ正確に転記できれば確定申告の給与所得部分はほぼ完成します。
まずは手元の源泉徴収票を出して、①・④・⑤の数字を確認してみてください!



次回は『副業ママのe-Tax(電子申告)完全ガイド』をお届けします。
マイナンバーカードを使って自宅から確定申告を完結させる方法を、手順を追って解説しますね!
→【次の記事:副業ママのe-Tax完全ガイド】
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