「副業を始めたけど、何が経費になるのかよくわからない」
「とりあえず全部レシートを取っておいているけど、これって本当に経費にしていいの?」
こんにちは、モリです。
会計事務所・税理士事務所で5年間、個人の確定申告を数えきれないほど担当してきた私が、副業ママがよく迷う経費の判断を一本の記事にまとめました。
この記事は「経費の全体地図」として使ってください。
「なる・ならない」をざっくり把握した上で、気になる項目の詳しい解説記事に飛んでいただく構成にしています。
- 経費の判断基準はたった一つ
- 経費に「なる」もの・「ならない」もの・「条件次第」のものの全体像
- 各テーマの詳しい解説記事へのリンク
- 経費計上でやってはいけないNG行動
1. 経費の判断基準はたった一つ
難しく考える必要はありません。経費かどうかの判断基準は、たったこれだけです。
「その支出が、副業の収入を得るために必要だったかどうか」
この一点に照らして「必要だった」と説明できるものが経費になります。
どれだけ高額でも、副業と関係のない支出は経費になりません。
そしてもう一つ、大切なことをお伝えします。
「節税のために経費を使う」は間違いです。
1万円の不要な買い物をして減る税金はせいぜい1,500〜2,000円程度。
差し引きするとむしろ損をしています。
「仕事に必要だから買う→結果的に経費になる」という順番を必ず守ってください。
モリ税理士事務所でよく見てきたのが『経費になると思って買ったけど、実は対象外だった』というケースです。
迷ったときは『この支出を税務署の人に説明できるか?』と自問してみてください。
2. 経費に「なる」もの一覧
副業ママがよく使う支出で、基本的に経費として認められるものをまとめます。
| 支出の種類 | 経費になる? | 勘定科目 |
|---|---|---|
| サーバー代・ドメイン代 | ✅ 全額 | 通信費・消耗品費 |
| WordPressテーマ代(SWELLなど) | ✅ 全額 | 消耗品費 |
| 会計ソフトの利用料(freee・マネーフォワード等) | ✅ 全額 | 通信費・消耗品費 |
| 副業用のデザインツール(Canva有料版等) | ✅ 全額 | 通信費・消耗品費 |
| 副業に関連する書籍・教材 | ✅ 全額 | 新聞図書費 |
| ブログ・副業関連のセミナー受講料 | ✅ 全額 | 研修費 |
| 副業専用のパソコン(10万円未満) | ✅ 全額 | 消耗品費 |
| 副業専用のパソコン(10万円以上) | ✅ 減価償却(数年間に分けて経費にする) | 工具器具備品 |
| 作業用のマウス・キーボード等の周辺機器 | ✅ 全額 | 消耗品費 |
| レビュー記事のために購入した商品 | ✅ 全額(※) | 消耗品費 |
| 撮影専用で普段は着ない衣装 | ✅ 全額 | 消耗品費 |
※レビュー後も日常的に使い続けるものは家事按分が必要です。
3. 経費に「ならない」もの一覧
「なりそうだけど、実はならない」という支出をまとめます。
| 支出の種類 | 経費にならない理由 |
|---|---|
| 副業と関係のない書籍・趣味の費用 | 事業との関連性がない |
| プライベートの食費・外食費 | 生活費として扱われる |
| 普段も着回せる衣服・ファッション代 | プライベートでも使用できる |
| 家族全員分の食事代・旅行代 | 私的利用分が含まれる |
| テーマパークの入場料(原則) | 遊びの要素が強い |
| お土産代(原則) | 事業との関連性がない |
| 罰金・反則金・税金の延滞税 | 法令違反へのペナルティ |
| 住宅ローンの元本返済分 | 資産の取得であり経費ではない |
| 美容院代・散髪代(原則) | 仕事をしない人でも行う生活行為 |



美容院代やファッション代は副業ママがよく迷う項目です。詳しい判定基準は下のリンクからどうぞ。
YouTuberとブロガーで経費の通りやすさが違う理由も解説しています!
4.「条件次第」のグレーゾーン一覧
ここが一番重要です。
副業ママが最も迷いやすい「条件次第」の支出をまとめます。
各項目の詳しい解説は、リンク先の記事をご確認ください。
① カフェ代
→ 条件次第 ⚠️
実際に副業の作業をした場合、「作業場所代」として経費にできます。
ただし家族や友人とのランチ・豪華な食事は対象外です。
- 実際に作業をした記録がある
- レシートを保管している
- レシートの裏に作業内容をメモしている
勘定科目:会議費 または 雑費
② 自宅の家賃・光熱費
→ 条件次第 ⚠️(家事按分が必要)
自宅で副業の作業をしている場合、仕事に使った割合だけ経費にできます。
「なんとなく3割」ではなく、面積や時間で根拠のある按分比率を計算することが重要です。
持ち家の場合は「ローン返済額」ではなく「減価償却費・利息・固定資産税」が対象になる点にも注意が必要です。
勘定科目:地代家賃(家賃)、水道光熱費(電気代)
③ スマホ代・インターネット代
→ 条件次第 ⚠️(家事按分が必要)
プライベートでも使うスマホやインターネット回線は、副業で使った割合だけ経費にできます。
「全額経費」は税務調査でリスクが高く、まずは50%からスタートするのが現実的です。
スマホ本体代の減価償却の判定は「按分後の金額」ではなく「本体の購入総額」で行う点に注意が必要です。
インターネット代の按分で迷ったら、「通信量(ギガ)」や「1日の使用時間」を根拠にするのが一般的です。
難しく考えなくて大丈夫。
「今日は何時間ブログ作業をしたか」を手帳やメモアプリに記録しておくだけでも、立派な按分の根拠になります。
数ヶ月分のメモが積み上がれば、税務署に対しても自信を持って「この割合で按分しています」と説明できます。
具体的な計算方法や、スマホ本体代の減価償却の注意点は詳しくはこちらをどうぞ。
勘定科目:通信費
④ 旅費・交通費
→ 条件次第 ⚠️
副業の取材・リサーチのための移動費は経費になります。
ただし家族旅行のついでに取材をした場合は、仕事に使った時間や割合で按分する必要があります。
税務署が納得する「証拠3点セット」(取材計画メモ・成果物のURL・1人分の領収書)を揃えておくことが重要です。
勘定科目:旅費交通費
⑤ 美容・ファッション・セミナー代
→ 条件次第 ⚠️
基本的に美容院代や普段着の服代は経費になりませんが、レビュー記事のために購入したもの・撮影専用の衣装・副業直結のセミナー代は経費として認められる可能性があります。
職業によっても経費の通りやすさが異なるため、詳しくはリンク先をご確認ください。
勘定科目:消耗品費(商品レビュー)、研修費(セミナー)
5. 経費計上でやってはいけないNG行動
最後に、税理士事務所でよく見てきた「やってはいけない」ケースをまとめます。
NG① レシートを捨てる
経費として計上するには証拠書類が必要です。カードの明細だけでは不十分な場合があります。レシートは必ず保管し、裏に作業内容をメモする習慣をつけましょう。
NG② 按分なしでプライベート兼用の支出を全額経費にする
スマホ代・家賃・パソコンなどを按分なしで全額経費にするのは、税務調査で否認されるリスクがあります。
NG③ 「節税のために経費を使う」という発想
不要な支出をして節税しようとするのは本末転倒です。**「仕事に必要だから買う→結果的に経費になる」**という順番を守ることが唯一正しい節税です。
NG④ 領収書の宛名を空欄のままにする
金額が大きい場合は、宛名に自分の名前または屋号を書いてもらいましょう。
NG⑤ 身内(生計を一にする家族)へのアルバイト代
副業ママがやりがちなのが、「夫に画像編集を手伝ってもらった」「子供にお小遣いとして渡したお金を経費にする」というケースです。
残念ながら、生計を一にする家族(同居の配偶者・子供など)への支払いは、原則として経費になりません。
これは所得税法で明確に定められているルールです。
ただし例外があります。
青色申告をしていて「青色事業専従者給与」の届け出を事前に税務署へ提出している場合は、家族への給与を経費にできます。
ただし届け出なしに経費計上するのはNGです。
ここは税務調査でも厳しく見られるポイントです。
「家族だから大丈夫」という油断が、思わぬトラブルにつながります。



税理士事務所で一番ヒヤッとしたのは、プライベートの支出をほぼ全額経費に計上されていたお客様です。
税務調査で大幅に否認される恐れがあったため、一緒に経費の計上内容を見直したことがありました。
事前に気づけたのは本当によかったのですが、『正しく説明できる支出だけを経費にする』という姿勢を最初から持っていれば、そもそも見直す必要もなかったんです。
まとめ|経費の判断は「説明できるかどうか」
今回の内容を3行で整理します。
- 経費の基本は「副業の収入を得るために必要だった支出かどうか」の一点
- スマホ・家賃・カフェ代などグレーゾーンは各詳細記事で正しい按分方法を確認する
- レシートの保管・按分比率の記録・不要な支出をしないの3点がNG回避の鉄則
「これって経費になるかな?」と迷ったときは、「税務署の人に説明できるか?」を基準にしてみてください。
説明できるなら経費にしていい、説明できないなら見送る——これだけで大きなミスを防げます。



次回は副業ママが避けて通れない『確定申告』の基本を解説します。
『そもそも確定申告って何をすればいいの?』という方でも迷わないよう、手順を一からお伝えしますね!
→【次の記事:副業ママの確定申告、何から始めればいい?】
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